小学校5・6年の頃の話です。
その頃、私の家の近くに小さな住宅で暮らしている女の子が居ました。
仮に B子さん としましょう。
彼女の家の前にはぶた小屋があって、たぶん彼女の服にそのにおいが付いてたんだと思います。
私も含め、分別を知らない小学生は残酷なもので、においが服に付いている彼女に 「くされ」 というあだ名をつけていました。
私の親友が、学校帰りに彼女を見つけると後ろから 「くされ」 というあだ名で罵ったり普通のようにしていました。
私もいつの間にか感化されて、少しずつ一緒になって言うようになり、感覚がマヒしてきて言うことに関して抵抗が薄れてきました。
さらに、なんと席替えとかがあると不思議に彼女の隣になったり、家が近くだったので彼女が学校を休んだ日に学校の給食のパンを届けるのは私の役目になりました。
それで、友達も面白半分に 私 と A子とをカップル(古い?)みたいなことを言い始めました。
私の怒りはなぜか、彼女に向けられました。
それからというもの、彼女を言葉でいじめることが私の日課になってしまいました。
意地汚い言葉に慣れ麻痺してしまった私は、かなり」きついことをいっていじめていたんじゃないかと思います。
※ただ、その当時は自分が人をいじめているという認識はまったくありませんでした。
逆に、そんな彼女とカップル扱いされている自分が被害者といった感覚でした。
彼女は、特に男から常に罵声をあびせられていました。
今でいえば、たぶん完全に人権無視といったところだと思います。
そんな私でしたが、彼女が学校を休んだ日に給食のパンを家に持って行くと、決してきれいではない服装で小さな家から出てきて
「ありがとう」 という言葉を私に投げかけてくれました。
たぶん、彼女の家は平均以下の、経済状態だったと思います。
服はいつも汚れていて、男物みたいなパンツをはいていました。
お父さんは、たぶん居なかったと思いますが、お母さんは飲み屋で働いているという噂は聞いたことがあります。
給食のときに、彼女の妹(たぶん保育園にも行ってなかったと思う)が学校に訪ねて来て、先生がパンをその妹にあげていた光景が私の脳裏に焼き付いています。
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人の親となった今、我が子が周囲の友達から、そんな仕打ちを受けているとしたら・・・・・
きれいな服を着せてやれないことを、不憫に思うのか
普通の家庭に育ち、人の気持ちも考えてやれることもできない、周りの友達を恨めしく思うのか
何といいますか・・・・・・
残酷なことをしてしまったと、今にして反省しております。
A子さん・・・すみませんでした
それにしても、A子はよく不登校にもならず、よく毎日地獄であるはずの学校へ通い続けていたものです。
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