私が就職した頃……
誰もが洗礼をうけること
生命保険の勧誘
そして、催眠商法・・・・
って言ったら業者の方に失礼かも
それも、自分で決断し中身にも特に間違いも無かったし・・・
私が、最初に洗礼を受けたのが、百科事典
私が配属された現場事務所へ、サイエンス関係の百科事典のセールスマンがお見えになった。
そして、饒舌ではっきりした口調で、この辞典のセールスポイントを講談師のような口調で語りかけてくる。
なんでも、今回の商品は初版本であり、将来値上がりすることも考えられるらしい。
それに、これを購入すると高さ30cm程の女神のブロンズ像が付いてくるらしい。またそれが、値打ちが出る可能性があるとのこと。
値段は、148000円月賦にすると、月々3800円也!!!
月々の支払いを考えると、そう高価な額ではない!!
色んな知識を得られるなら、安いものである。
心に中で、どうしようか迷っていると、先輩がひとり購入の名乗りを挙げた。
それにつられて、一人・・・また一人・・・購入者が増えていった。
私も仲間に外れないように、購入することにした。
そして、一週間ほどでその百科事典が届いた。
さすがに、148000円分の重みはある(重量が)
たしかに、安っぽい女神のブロンズ像が付いていた。
木製の専用本立ても・・・
早速実家の座敷に置くことにした。
百科事典があるだけで、何となく知識人になった気分だ・・
しかし中身を開いてみると、内容が・・・・
どうでもいいような、専門的分野のことについて永遠と半ページほど、しかも小さな字でぎっしりと書かれている。
例えば・・・南米の誰も知らないような蝶について、小さな字でぎっしりと・・・
よっぽど、「現代用語の基礎知識」のほうが身になるかも???
しかし、将来価値がでることを楽しみに、そのまま座敷へ放置・・
それが、いつの間にか物置に・・・
それから10年後の大雨で水没・・・
もちろん廃棄処分・・・中身はほとんど開かないまま・・・
いま、その百科事典をネットオークションに出品したら、何十万・何百万の値がついたかも・・・
・・・そんなことは・・・ないでしょう・・・
しかし、あのセールスマンの語りのうまさは今でも脳裏に焼き付いている。
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